生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ
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- 開催予定
- 企画展

森英恵 《イヴニングアンサンブル(ジャンプスーツ、カフタン「菊のパジャマドレス」)》 1966年
ハナヱ・モリ 島根県立石見美術館
撮影: 小川真輝
ニューヨーク、パリを魅了した日本のオートクチュール
圧巻の展示400点が語る森英恵のすべて
1950年代にキャリアを開始した森英恵は、映画衣装の制作で注目されるようになりました。母、妻であるだけでなくデザイナーとして活躍していく森は戦後日本で新しい女性像を体現していきます。ニューヨーク、パリを舞台にして作品を発表し、日本人として初めて海外で本格的に自身のブランドを確立しただけでなく、日本の布地や職人技を生かして、美意識と技術力を発信し続けました。本展では約400点の作品を通じて、森の活動の全貌を紹介します。
開催概要
- 会期
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休館日:毎週火曜日
*ただし5月5日(火・祝)は開館 - 開館時間
10:00~18:00
毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで- 会場
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国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 - 主催
国立新美術館、森英恵展実行委員会
特別協力
森英恵事務所企画協力
島根県立石見美術館- 観覧料
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当日 2,200円(一般)、1,800円(大学生)、1,400円(高校生) 前売 2,000円(一般)、1,600円(大学生)、1,200円(高校生) - 中学生以下は入場無料
- 障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料
- チケット販売情報は後日発表予定
- お問合せ
050-5541-8600(ハローダイヤル)
みどころ
世界的に活躍したファッションデザイナー、森英恵の生誕100年を記念し、没後初となる大規模な展覧会を開催します。
島根県に生まれ、1950年代にキャリアを開始した森英恵は、当初、映画衣装の制作を通じて頭角を現すようになります。戦後の高度経済成長期の日本において、家庭を持ちながらデザイナーとして社会的にも大きな仕事を成し遂げるその姿は、新しい女性像の先駆けとして注目されるようになりました。そのような中で森が1961年、雑誌『装苑』にて新たに提唱したのが「ヴァイタル・タイプ」という人物像です。快活で努力を惜しまないその姿は、森のその後の生き方と重なるものでした。1965年にはニューヨークコレクションにデビュー、1977年にはアジア人初のパリ・オートクチュール正会員となり、世界を股にかけて活動した森は、生涯を通じて創作に情熱を注ぎ続けました。
「ひよしや」開店の頃 1950年代半ば
撮影:石井幸之助 写真提供:森英恵事務所
本展では、これまで深く掘り下げられることのなかった衣装の素材についても注目します。「日本」にこだわり洋服を作った森の創造を支えたのは、西陣織や、長浜縮緬、羽前羽二重など江戸時代以前から続く伝統を受け継ぐ日本の織物でした。本展では初公開となる織り見本やオリジナルのテキスタイル、その原画、染め見本などを展覧し、森の創造を支え、さらに現在へと継承される日本の繊維産業の姿も、本展のための最新の資料をもとに紹介します。
森英恵 《赤い花柄の男性用アロハシャツ(映画『狂った果実』衣装)》 1956年
島根県立石見美術館 撮影: 小川真輝
森英恵 《イヴニングコート、ドレス》 1968年
ハナヱ・モリ 島根県立石見美術館 撮影: 小川真輝
森英恵 《ハナヱ・モリ バンロン・コレクション》 1969〜70年代
ヴィヴィド 島根県立石見美術館 撮影: 小川真輝
森英恵 《ブランドラベル、帯地のコート》 1964年
ハナヱ・モリ 島根県立石見美術館 撮影: 小川真輝
森英恵 《イヴニングアンサンブル》 1977年秋冬
HANAE MORI HAUTE COUTURE 撮影:小川真輝
また、森が1966年に広報誌として開始した『森英恵流行通信』が、日本屈指のファッション雑誌『流行通信』へ発展していった過程や、ファッションショーの記録と配信を行うテレビ番組「ファッション通信」をはじめとするメディアの運営を行い、ファッションを文化へ押し上げていくために情報基盤を築いていった点についても改めて取り上げます。
アートディレクション:江島任 『森英恵流行通信』No.10 1966年9月3日号
ファッションハウス 森英恵 島根県立石見美術館
本展は森の出身地であることからファッションを活動の中心に据えてきた島根県立石見美術館での実施に続き、森が日本での拠点とした表参道、赤坂の近くに位置する国立新美術館にて開催するものです。ニューヨークのメトロポリタン美術館の所蔵作品をはじめとしたオートクチュールのドレス、多数の資料、初出品の作品を含む約400点を通じて、森のものづくりの全貌を紹介する内容となります。展示のエピローグでは、森をよく知る家族や友人のインタヴュー映像を上映し、デザイナーとしての姿だけではなく、森という人物の生き方にまで迫ります。