シンポジウム「時代のプリズム1989-2010:今日の展覧会実践と美術批評における影響のスペクトラム」
時代のプリズム:日本で生まれた美術表現1989-2010
- 開催予定
- 展覧会関連
- どなたでも
- 通訳あり

国立新美術館とM+との共同企画による「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現1989-2010」展の関連イベントとして、国内の3名のキュレーターおよび研究者を招いたシンポジウム「時代のプリズム1989–2010:今日の展覧会実践と美術批評における影響のスペクトラム」を開催します。本展の構成にしたがって、「過去という亡霊」「自己と他者と」「コミュニティの持つ未来」の3つのセクションを取り上げつつ、90年代2000年代に浮き彫りになった社会的な課題やアーティストのアプローチが、2020年代の現代にどのような形をもって関連しているのかを検証します。
また、本展の企画チームから、M+アーティスティック・ディレクター、チーフ・キュレーターのドリアン・チョン、M+視覚芸術部門キュレーターのイザベラ・タム、国立新美術館主任研究員の尹志慧が参加します。
開催概要
- 開催日
- 時間
15:00~17:00(14:30開場)
- 会場
国立新美術館 3階講堂
- 対象
- どなたでも
- 参加方法
当日11時より1階・中央インフォメーションにて整理券を配布いたします。
- 定員
200名
- 料金
無料。ただし、本展の観覧券(半券可)の提示が必要です。
- 主催
国立新美術館、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
企画協力:M+
協力:アートウィーク東京- お問合せ
TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
- 備考
※内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。
※日本語と英語の同時通訳をご利用いただけます。
※講演の写真撮影や録画はお断りしております。
※後日、アーカイブ動画を公開予定です。
※本イベントの記録写真を、活動報告や広報の目的で公開する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
イベント内容
プログラム
15:00 ご挨拶:神谷幸江(国立新美術館 学芸課長 チーフ・キュレーター)
15:02 本展について:ドリアン・チョン(M+ アーティスティック・ディレクター、チーフ・キュレーター)
15:10 本シンポジウム趣旨について:イザベラ・タム(M+ ビジュアル・アート部門キュレーター)、尹志慧(国立新美術館 主任研究員)
15:20 プレゼンテーション1: 趙純恵、(森美術館 アソシエイト・キュレーター)
15:40 プレゼンテーション2: 橋本梓(京都国立近代美術館/国立国際美術館 主任研究員)
16:00 プレゼンテーション3: 山本浩貴(文化研究者、実践女子大学 准教授)
16:20 オープンディスカッション(モデレーター:イザベラ・タム、尹志慧)
16:50 Q&A
17:00 閉会
出演者
趙純恵(ちょう・すね)(森美術館 アソシエイト・キュレーター)
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1986年東京生まれ。2016年から2025年まで福岡アジア美術館学芸員として勤務。専⾨はアジア近現代美術。アジア地域におけるマイノリティ当事者の美術表現に関心を寄せ、近年では移民や移住民、離散コミュニティなどを指す「ディアスポラ」の美術表現について調査研究を⾏っている。2023年よりあいち国際芸術祭2025のキュレトリアルアドバイザー(現代美術)を務める。 これまで企画した展覧会は、「MAMコレクション020:世界は小さな物語のなかに―下道基行、ヴァンディー・ラッタナ、ジャン・オー(張鷗)、ツァオ・フェイ(曹斐)」(2025年)(森美術館)、「アジアン・フォト・ヒストリー」(2024年)、「水のアジア」(2023年)、「メッセージ―アジア女性作家たちの50年」(2020年)、「福岡アジア美術館開館20周年記念展アジア美術、100年の旅」(2019年)、「アジア美術からみるLGBTQと多様性社会」(2019年)(福岡アジア美術館)などがある。 |
橋本梓(はしもと・あずさ)(京都国立近代美術館/国立国際美術館 主任研究員)
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京都大学大学院人間・環境学研究科にて修士号を取得。2008年より国立国際美術館に研究員として勤務。グローバルな美術史とローカルなアートの摩擦がもたらす創造性に関心を持ち、さまざまなキュレーションの実践を行う。 近年では、関西を拠点に戦後から50年以上活動を続ける美術家集団「THE PLAY」の個展(「THE PLAY since 1967まだ見ぬ流れの彼方へ」、2016年、国立国際美術館)を企画。また、久保田成子(1937–2015)の回顧展(「Viva Video!」、2021年、国立国際美術館、共同企画:濱田真由美、西川美穂子、由本みどり、巡回先:新潟県立近代美術館、東京都現代美術館)も手掛けた。本年は、非常事態が常態化した現代を主題としたグループ展「非常の常」(2025年、国立国際美術館)を企画した。その他の主な企画展として、「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」(2018年、国立国際美術館、共同企画:植松由佳、林寿美)、「六本木クロッシング2022:往来」(2022–2023年、森美術館、共同企画:天野太郎、レナ・フリッチュ、近藤健一)がある。著書に『ザ・プレイ 流れの彼方』(水声社、2025年)、 共著に『現代アート10講』(田中正之編、武蔵野美術大学出版局、2017年)がある。 |
山本浩貴(やまもと・ひろき)(文化研究者、実践女子大学 准教授)
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文化研究者。1986年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、ロンドン芸術大学にて修士号・博士号取得。香港理工大学ポストドクトラルフェロー、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科助教、金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科芸術学専攻講師を経て、2024年より実践女子大学文学部美学美術史学科准教授。単著に『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社、2019年)、『ポスト人新世の芸術』(美術出版社、2022年)、『12ヶ月でわかる現代アート』(美術出版社、2025年)。共編著に『この国(近代日本)の芸術 〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』(小田原のどかとの共編、月曜社、2022年)。翻訳書に『戦後初期日本のアートとエンゲージメント』(ジャスティン・ジェスティ著、水声社、2025年)。2024年の第15回光州ビエンナーレでは、日本パビリオンのキュレーターを務めた。 |
ドリアン・チョン(M+ アーティスティック・ディレクター、チーフ・キュレーター)
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M+の3つの主分野であるデザインと建築、映像、視覚芸術や、香港の視覚文化をテーマに、コレクション、展覧会、教育普及プログラム、出版物、デジタルコンテンツなど、M+のすべてのキュレーション活動とプログラムを監督している。 これまで「Noguchi for Danh Vo: Counterpoint」 (2018年)、「Yayoi Kusama: 1945 to Now」(2022年、吉竹美香との共同キュレーション)、「Picasso for Asia: A Conversation」(2025年、François Dareauとの共同キュレーション)といった大きな評価を得た展覧会の企画・キュレーションを行った。また2015年から2024年まで5回に渡る香港のヴェネツィア・ビエンナーレ参加の企画・運営に助力。 M+以前は、ニューヨーク近代美術館、ミネアポリスのウォーカー・アート・センター、サンフランシスコのアジア美術館に勤務。その間に企画した代表的な展覧会としてニューヨーク近代美術館「Tokyo 1955–1970: A New Avant-Garde」(2012年)のほか、ウォーカー・アート・センターでの「Tetsumi Kudo: Garden of Metamorphosis」(2008)や「House of Oracles: A Huang Yong Ping Retrospective」 (2005)がある。 |
イザベラ・タム(M+ ビジュアル・アート部門キュレーター)
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専門はアジアのコンテンポラリー・アートで、特にグローバルな現代の言説における中国美術、日本美術、写真の並行的発展や交流に研究の重点を置いている。同美術館開館に向けてアジア現代美術の第一級のコレクションの構築とともに、オープン記念の展示企画を作るチームの一員として活動。企画・担当した展覧会に、「Right Is Wrong: Four Decades of Chinese Art in M+ Sigg Collection」(ビルド・ムセアット、ウーメオ―、2014年、ウィットワース・ギャラリー、マンチェスター、2015年)、 「M+ Sigg Collection: From Revolution to Globalisation」(2021-2023年)、「Sigg Prize 2023」(2023年)、「Yayoi Kusama: 1945 to Now」(2022年)、「Yasumasa Morimura & Cindy Sherman: Masquerades」(2024年)がある。また、M+と国立新美術館の共同企画である「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現1989-2010」(2025年) の共同キュレーターを務めた。 複数の国際写真賞の審査員を務めるととともに、2023年トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)の最初のキュレーター招聘プログラムに参加。2011年にはロンドンのホワイトチャペル・ギャラリーでキュラトリアル・フェローとして滞在。エセックス大学にてシュールレアリスムを焦点とした美術史と美術理論の修士号を取得。 |
尹志慧(ゆん・じへ)(国立新美術館 主任研究員)
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国立新美術館主任研究員。国立国際美術館(2015-19年)、芦屋市立美術博物館(2020-21年)を経て現職。M+と国立新美術館の共同企画である「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現1989-2010」(2025年) の共同キュレーターを務めた。「遠距離現在 Universal / Remote」展(2023-24年、熊本市現代美術館、国立新美術館、広島市現代美術館)を企画。携わった展覧会に、「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」(2022年、国立新美術館)、「芦屋の時間 大コレクション展」(2020年、芦屋市立美術博物館)、「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」(2019年、国立国際美術館)など。 |
アーカイブ配信
後日国立新美術館YouTubeチャンネルにてアーカイブ動画を公開する予定です。