時代のプリズム：日本で生まれた美術表現1989-2010
「アーティスト・トーク」

1951年、大阪市生まれ。美術家。京都市立芸術大学美術学部卒業、同大学美術学部専攻科修了。
’85年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真『肖像・ゴッホ』を発表。以降、今日に至るまで、一貫して「自画像的作品」をテーマに作品をつくりつづける。1989年、ベニスビエンナーレ/アペルト88に選出され、以降国内外で数多くの展覧会を開催する。ヨコハマトリエンナーレ2014ではアーティスティック・ディレクターを務めた。2018年、大阪市北加賀屋に「モリムラ＠ミュージアム」をオープン。
主な個展に、「美に至る病／女優になった私」（横浜美術館、1996年）、「空想美術館／絵画になった私」（東京都現代美術館ほか、1998年）、「なにものかへのレクイエム／戦場の頂上の芸術」（東京都写真美術館他、2010年）、「自画像の美術史―「私」と「わたし」が出会うとき」（国立国際美術館、2016年）、「Ego Obscura」(ジャパン・ソサエティー/ニューヨーク他、2018年)、「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌　M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話」（アーティゾン美術館、2021年）。二人展として「Yasumasa Morimura and Cindy Sherman: Masquerades」（M+/香港,2024年）など。

1972年  東京都生まれ 東京都在住
「現在」起きている現象の根源を「過去」に探り、「未来」に垂れこむ暗雲を予兆させる黒い木版画を中心に制作する。一つの画面に様々なモチーフが盛り込まれ構成された木版画は漫画風でナンセンス、黒一色のみの単色でありながら濃淡を駆使するなど多彩な表現を試み、彫刻刀によるシャープな描線によってきわどいテーマを巧みに表現する。風間は作品のなかで、現代社会や歴史の直視しがたい現実が、時には滑稽でコミカルに見えてしまう場面を捉えようとしている。そこには作家自身が社会の当事者であるよりも、むしろ観察者でありたいという意識が反映されている。作品はフィクションの世界だが、制作に際しては古書研究をするなど独自のリサーチを徹底し、現実や歴史の黒い闇を彫りおこすことで、真実から嘘を抉り出し、嘘から真実を描き出す。
近年の主な展覧会/ 2023 年「ニュー松島」無人島プロダクション、東京な/2024年「第24回シドニー・ビエンナーレ Ten Thousand Suns」ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館、シドニー、オーストラリアなど

1966年インドネシア生まれ。中国系インドネシア人の父親とスコットランド系オーストラリア人の母親のもと幼少期をオーストラリアで過ごし、1988年オランダ移住。アムステルダムを拠点に写真と映像による制作を続ける。
記憶や時間、歴史、アイデンティティを起点とした綿密なリサーチを元に、アーカイブ資料と新たな撮影素材を交差させ多層的な語りを生む作風が特徴的。
アムステルダム国立美術館で9/14まで開催の「Fiona Tan: Monomania」は同館初の現代アーティストによるキュレーション展で、館蔵品や他機関からの出品に新作《Janine’s Room》（2025）を含む自身の作品を交えて展示。国際展は横浜トリエンナーレ（2001）、ドクメンタ11（2002）、第53回ヴェネチア・ビエンナーレ（2009/オランダ館）等に参加。日本での個展に金沢21世紀美術館（2013）、東京都写真美術館/国立国際美術館（2014–15）、IZU PHOTO MUSEUM（2016）。近作に《Footsteps》（2022）、《Dearest Fiona》（2023）、《Ascent》（2016）、長編映画《History’s Future》（2016）等がある。

小沢剛（1965- 東京生まれ）、陳劭雄 [チェンシャオション]（1962-2016 中国汕頭市生まれ）、ギムホンソック（1964- ソウル生まれ）の3人のアーティストによるコラボレーション・チーム。2005年に小沢剛とシャオションがユニットを組み、共通の知人だったギムホンソックを誘って2007年に結成。
東アジアのどこかにある架空の都市国家、西京国から来た人を意味する「西京人」という名で活動。越境的な視野に立ちながらパフォーマンス、インスタレーション、映像などプロジェクトベースで作品を制作している。
個展「西京は西京ではない、ゆえに西京は西京である。」金沢21世紀美術館(2017年)、「World of Xijing」国立現代美術館、ソウル(2015年)、「アイラブ西京⎯西京国の学校」H&Rブロック・アートスペース、カンサスシティ（2013年）ほか