アーティスト・ワークショップ「美術館にお手を触れよう！景色のなかのわたしたちの手」

「作品にはお手を触れないでください」。美術館では作品には触れないのがルール。でも、「美術館」そのものだったら、触れてもいいのです！
国立新美術館の様々な場所の感触を確かめて、第三の「自分の手」を通して新しい見方を発見する、現代美術家の對木裕里さんによるワークショップを開催しました。
まずは、２人１組で、視界には入っていたけれどいつもは触れることのない美術館の建物や地面、植物などに手を触れてみました。次に、そこに触れる手のかたちを想像しながら、石膏で「自分の手」を型取ります。そして、参加者全員で、制作した石膏の「自分の手」を美術館の空間に置いて鑑賞しました。知っている場所と毎日見ている手のはずなのに、手が自分から離れてどこかに触れている景色は、いつもとは違う不思議な感覚があります。制作だけではなく美術館の手触りや空間も、じっくり味わったこのワークショップ。見慣れたものや自分たちがいる空間でも、見方やとらえ方しだいで違う世界が現れるという楽しさを知るきっかけとなりました。