寺院では、荘厳具と呼ばれる飾りや、法具を用いて儀式や法要が営まれてきました。これらの様々な法具は、ほとけを讃えるためのものであったり、供養するためのものであったりしましたが、ほとけ自身もまた、経典の記述などに従い、さまざまな装飾で飾られました。
本展示では、このたび第一期修理が完了した、称名寺霊宝の一つである幡残闕をはじめとして、南北朝時代の巨大な錦幡や、称名寺開山審海上人ゆかりの密教法具、緻密な装飾の施された仏像、また称名寺三重塔にあったと考えられる玉簾や玉華鬘、近年公開されていなかった称名寺十二面観音像の光背など、さまざまな形で飾られたほとけや、ほとけを飾り讃えてきた品々をご紹介いたします。
【主要展示品】
神奈川県文
錦幡・唐櫃(伊勢原市宝城坊<日向薬師>所蔵)
南北朝時代
千葉県文
密教法具(「金澤審海」の針書あり、館山市小網寺所蔵)
鎌倉時代
観音・勢至菩薩像(秦野市金剛寺所蔵)
鎌倉時代
幡残闕
鎌倉~江戸時代
重要文化財
法華経方便品(称名寺本尊弥勒菩薩立像像内納入品のうち)
鎌倉時代
重要文化財
増一阿含経巻28(宋版一切経のうち)
南宋時代
重要文化財
称名寺塔荘厳日記(金沢文庫古文書5986号)
南北朝時代
ほか