加納光於(1933- 東京生まれ)は、1956年に版画家としてデビューして以来、国内外で高い評価を得ている作家です。独学で銅版画を学んだ彼は、常に新しい手法を開拓して版画の概念を越えた作品を生み出してきました。また、版画にとどまらず、メタルワーク、オブジェ、エンコスティック、油彩なども独自の手法で行い、その作品は創意に富んでいます。
また、瀧口修造(詩人・美術評論家)や大岡信(詩人)などとも親交を結び、彼らとの共同制作による作品を発表したり、文芸書の装丁を手がけたりと幅広く活動しています。
本展は、当館所蔵品より版画集『植物』など初期の銅版画をはじめとして、さまざまな技法を駆使した版画、油彩画、オブジェを70点余り展示します。
鮮烈な色彩と有機的な造形が織り成す加納光於の世界をお楽しみください。