ニューヨークにあるホイットニー美術館は、1930年に創設され、翌年の開館当初からアメリカ現代美術の展覧会を開催するとともに、若い芸術家の作品の収集にも力を注いできました。また、「ホイットニー・ビエンナーレ」はアメリカの次世代の美術の動向を占う上で貴重なイベントとなっています。その所蔵品の質の高さ、教育プログラムなどを含めた社会的貢献も含めて、ホイットニー美術館は、ニューヨークを象徴する文化的ランドマークであると共に、まさにアメリカを代表する美術館といえます。
本展では、ホイットニー美術館コレクションの20世紀全般にわたる代表的な作品を紹介するにあたり、社会構造に対する視点を導入することで、作品の背後に見えるアメリカ社会の本質的な姿と20世紀アメリカ美術を創り上げたアーティストたちの時代に対する問題意識に改めて触れる機会となります。