超現実主義、シュールリアリズムは、1930年代にパリでおこった文芸、哲学を含む広範囲な芸術・精神運動でした。シュールリアリズムは、合理的、理性的な領域よりはむしろ非合理的、反理性的な状況の中に、人間の精神の有り様を見つけようとしました。ふだんは意識されることのない無意識の中にこそ真の人間の魂が発見されると考えたのでした。
造形作家もシュールリアリズムの運動に積極的に参加しました。偶然性による技法、たらしこみ、転写、コラージュ(貼り絵)、など理性の支配を受けない技法を駆使して、混沌、曖昧の世界を明るみに出そうとしました。
今回の展示では、北九州市立美術館が所蔵する版画から、ダリ(スペイン)、ミロ(スペイン)、デルヴォー(ベルギー)、エルンスト(ドイツ)など世界の巨匠の作品100点を通じて超現実主義の世界に迫ります。