おおらかな体躯に神秘的なほほえみを浮かべた古代の女性、元気いっぱいに今にも駆け出しそうな勢いの子供たち、しなやかな柳腰も艶やかな江戸市井の女たち…今日のいわゆる創作人形の基礎を築いた作家、堀柳女の没後20年を記念する展覧会を開催します。
柳女は昭和の初め、竹久夢二らと人形制作グループ「どんたく社」を結成以来、伝統的な人形とは一線を画した自由な表現による人形を世に問い続けました。昭和11年、改組帝展に初めて人形が入選。昭和30年には重要無形文化財「衣裳人形」保持者の認定を受け、後進の指導にも力を注ぎました。
本展は、初期から晩年までの代表作約80点と資料により、生涯にわたり創作人形の世界を先導し続けた柳女の芸術世界を紹介します。