新収蔵のアリスティード・マイヨールによる木版画集「農耕詩」から約20点を紹介します。「農耕詩」は黒インクで刷った73点と赤インクで刷った73点からなり、それぞれほぼ同じ図柄ですが、前期で紹介した黒インク版にかわり、後期では赤インク版を展示します。「農耕詩」は古代ローマの詩人ウェルギリウスによるもので、畑作、樹木栽培、牧畜、養蜂などを語った四つの詩からなりますが、フィリップ・ゴナン社から発行された二巻本には、マイヨールノ母国語であるフランス語とウェルギリウスが著したラテン語が併記され、これにマイヨールノ挿絵が入る形となっています。前期は黒インク版で主として動物と植物を描いたものを紹介しましたが、後期の赤インク版では人物表現を中心にとりあげます。前期とはまた異なった風合いをお楽しみいただけることでしょう。