堀内誠一は、戦後の日本で、時代をリードするアートディレクターとして活躍しました。「anan」や「BRUTUS」「Olive」など、誰もがよく知る雑誌のロゴデザインを多数手掛けたほか、本の装幀、ポスターのデザインなど、柔軟な発想と唯一無二の才能で、多彩な仕事を展開しました。一方で「絵本作家の道こそ運命が決めた本命」と志をもち、1958(昭和33)年から絵本作家としての活動を開始。『くろうまブランキー』『ぐるんぱのようちえん』『たろうのおでかけ』など、生涯にわたり70冊を超える絵本を世に出しました。これらの絵本は色彩豊かで、構図や画風、使う画材などに独自の工夫が凝らされ、今も年齢を問わず人々に愛され続けています。本展では、若き日の油彩画や絵本の原画などを展示して堀内の画業全般を回顧するとともに、戦後、雑誌作りにおけるエディトリアルデザインの先駆けとして活躍した仕事に注目し、堀内がこだわった創作の原点をひもときます。