湯河原の隣町・真鶴の地で、誰にみせるでもなく絵を描いていた髙良眞木(こうらまき 1930~2011)。社会運動家で童話作家の浜田糸衛と共に暮らしながら、身近な木や花、土地の風景や働く人々の姿を描きました。迫真性を超えて存在感を放つ彼女の作品は、観る者の心にせまってきます。生涯孤高に絵を描き続けた髙良の名は広く知られてはいませんが、美術批評家の瀧口修造、洲之内徹、画家の中川一政らに高く評価されています。日中友好神奈川県婦人連絡会を組織するなど、日中友好へ尽力した側面ももつ髙良。自然と人と社会との共生を目指して生きたひとりの画家の、歩みと作品を展観します。