戦争の世紀と呼ばれた激動の20世紀、カメラを武器に五つの戦場を駆け抜けた伝説の写真家ロバート・キャパ。本年は、キャパが1954年5月にインドシナの戦場で亡くなってから70年の節目(ふしめ)を迎えます。
ジャーナリストを志したハンガリーの青年アンドレ・フリードマンは、最愛(さいあい)の人ゲルダ・タローとの出会いを経て、写真家「ロバート・キャパ」となり、あるときは戦場で、またあるときは街中で、ジャーナリズムの歴史に残る数々の写真を撮影しました。
彼のレンズは、過酷(かこく)な戦場にあろうと日常の街中にあろうと、懸命(けんめい)に生きる人間の、苦しみや悲しみ、楽しみや喜びなど、ありのままの素顔を捉(とら)えています。そこには他者に対する愛と共感の眼差(まなざ)しが溢(あふ)れているのです。
本展では、キャパが伝説の写真家となるまでの軌跡(きせき)を、彼の代表作によってたどります。
また当館が所蔵するキャパのヴィンテージ・プリント75点を2期に分けて展示するほか、キャパが日本滞在中に撮影した多数の写真とともに、最期(さいご)に所持していたカメラを特別公開いたします。