美術館の展示室に整然とならぶ美術品、それらは、今日誰もが観賞することのできる公共的なものとなっています。ですが、その美術品が生まれた時のことを振り返ると、それは邸宅の建具として作られたり、プライベートな部屋を飾るためにえがかれたりと、それを所有する人との関係によって生み出されたものであることが分かります。また、時を経る間に、何人もの手を渡り、受け継がれてきたものもあります。この展覧会では、モネ、ピカソ、藤島武二、岸田劉生、琳派による作品や抽象絵画まで、古今東西、様々な分野の作品からなる石橋財団コレクションによって、美術品がどのような状況で生まれ、どのように扱われ、受け継いでこられたのか、その時々の場を想像し体感してみます。