現実の世界で、あれ、なんだろう?と耳に残る言葉の響き、そんな“音のほころび”に気がついたら、その破れ目からそっと意識を手のようにして差し入れ、伸ばし、向こう側の何かに触れる。
それが未知や不可思議や驚きをもたらすきっかけになることを淡く期待して。
「コトゥリリ」という言葉にはそんなほころびを感じました。
なんだろう?遠い異国の人の名前?密林の鳥の鳴き声のオノマトペ?どれも違います。
でも日本にちゃんと実在する言葉です。
さて、今回はそんな音や言葉の発見から作品の形へと、発想を膨らませ延ばしてみることからスタートしてみました。
像刻シリーズの新作個展としては実に4年ぶりとなります。
その変化をぜひご覧いただければと思います。
前川秀樹