当館で保管している岡本太郎の写真を眺めていると、岡本が野球やゴルフなどのスポーツに興じている姿をときたま目にします。特に、46歳で始めたと言うスキーについては、瞬間瞬間に命を懸けて斜面に身を投げ出す緊張感の虜になり、毎シーズン、制作や執筆などの忙しい日々を縫って雪山に通いました。雪山を前にひとりで「危険に向かい勇気をもって己れをひらく」姿勢は、芸術や生き方に対する岡本の指針と共通するものがあります。
本展では、「岡本太郎とスポーツ」をテーマに、岡本が競技場等のために手掛けた作品や、岡本にとっての「スポーツ」にまつわる作品をご紹介します。当館ならではの「スポーツの秋」をお楽しみいただけますと幸いです。