浮世絵で味わう麗人たちが愛した模様・色・着こなし
当世風俗を切り取る浮世絵において、「美人画」は重要なジャンルです。また画中の人々がまとうキモノは当時の美意識を伝えるだけでなく、作品の印象も決定づける大きな要素でもありました。浮世絵師たちは時流にかなった魅力的なキモノを描くことで、美人画の優品を生み出していったのです。
本展では江戸前期から昭和初期にかけての作品を前後期あわせて約130点ご紹介いたします。美人画の歴史が通観できることはもちろん、時代とともに変化する流行や着こなし、そして吉祥文様や古来愛された意匠についてもご覧いただきます。それぞれに歴史や物語を持つ模様をまとう女性たちの姿からは、日本文化の豊かさにも触れていただけることでしょう。