目には見えないそこに在るもの
木原和敏先生は、透明感のある女性の柔らかな表情や自然な佇まいを描き、高い評価を得ている洋画家で、日展や白日会の会員として第一線で活躍されています。
女性の表情、身に着けているドレスやレースなどの細かな描写に惹きつけられるのはもちろん、その周りの空気感や画面の外の世界を想像させる素晴らしい表現力は「目には見えない、そこに存在するもの」をすべて描き出し、観るものを魅了します。
本展覧会では、約30点の人物画を展示いたします。写真と見間違うような写実表現が流行する中で、緻密ながらも筆の運びがしっかり見える”木原和敏のリアリズム”をぜひお楽しみください。
展覧会によせて
木原和敏さんとは、彼が25歳ぐらいからのお付き合いで、私が東京セントラル美術館(彩壺堂)にいた時代から、四十数年にわたり応援し、作品の変化を見つづけ、同道してまいりました。彼の人としての生き様も、画廊宮坂の精神と重なる部分が多いと感じています。そんな彼だからこそ、今日を共に迎えることができました。
今に満足せず、これからも努力・精進し、一段上の芸術を目指して頑張ってほしいと願っています。
画廊宮坂 宮坂 祐次