芹沢銈介は型絵染の人間国宝として知られ、作家として型染の芸術性を追求し、国外でも高い評価を受けています。しかし一方では、型染の特徴を活かし、「どんどん染物を染めていって、自分というものなどは、品物のかげにかくれてしまうような仕事をしたい」というほど、量産への強い希望を持っていました。1955(昭和30)年、自邸内に芹沢染紙研究所を設立、カレンダー、うちわ、グリーティングカード、包装紙、額絵、絵葉書、風呂敷、ふきんなど、多彩な日用品を生産し、芹沢の模様は人々の生活の中にとけこんでいきました。芹沢染紙研究所で制作された300点の品々を通じて、その仕事の楽しさ、豊かさをご覧いただきます。