黄金崎クリスタルパークを有する西伊豆町は、ガラスの原料となる良質の珪石が採掘されていた所です。かつては、日本国内で製造・消費される建材用の板ガラスに、この地の珪石が使われていました。
窓や扉などに使用されるこうした建材用の板ガラスは、時に造形素材として応用されることがあります。比較的堅牢で、入手しやすいという長所を備え、工夫次第で多様に加工することが可能です。一方、建材用ほど流通の規模は大きくありませんが、工芸材料用に製造されたガラスの板もあり、ステンドグラスやキルンワーク(電気炉を用いたガラス造形)に主に使われています。それらは、制作の用途に合うように組成が調整され、色やパターンが豊富なことも特徴です。
本展は、西伊豆が国内の「板ガラス」原料の一大供給地であったことに因み、「ガラスの板」に着目して作品をご紹介する企画です。更に、既製のガラスの板のみならず、創作された板状のガラスが使われている作品も、併せて展示いたします。この機会に、ガラスの板による様々な表現をご覧ください。