GALLERY A イメージの痕跡―記憶とリアリティのあわい グループ名:浮遊する作家たち 本展の出品作家たちが生まれた1980年代初頭は、使い捨てカメラやファミコンが発売され、急速に普及した時期でもあります。何事も簡易に記録でき、伝達情報も簡略化され始めた時代に育った彼らの特徴とは一体何でしょうか?彼らの作品は身近なモチーフを対象としながらも、その背景には奥行きを感じるリアリティがあります。力が入っているのか、気が抜けているのか、或いはどちらでもないのか。白と黒に分かれる事ができない曖昧で居心地の良い作品をぜひ体験してください。
GALLERY B 海のない波 グループ名:自己と他舎 4名のアーティストによって制作される写真/映像作品を中心とした展覧会です。今回の展示は、わたしたちが過去に実施した展示のなかで注目した「境界線」というテーマから、コロナ禍以降、「距離」や「境界」という言葉が一つの自己正当化として使われるようになった状況を踏まえて、「海のない波」というタイトルのもとに、自己と他者の間のより細やかな揺らぎへの眼差しについて考えるものです。
GALLERY C 絵の辻 グループ名:糸会 絵画は今日まで様々な表現方法を獲得してきました。また同時に、歴史の時々においては、メッセージや前時代へのカウンターを主張する手段としても機能し、発展してきました。しかし本展の出品作家4名は、そのような「手段としての絵画」から距離をとり、色や筆さばきなどの絵画における根本的な要素に改めて関心を寄せています。何が描かれていても色と筆致だけで人の心を動かす力が絵画にはある、本展はその表明としての作品が交差する場です。