「放浪の天才画家」と言われた山下清(1922~71)。少年のころから完成度の高い貼絵を創作し、18歳から始めた放浪の旅では、記憶に残った旅先での風景を緻密で色鮮やかな作品として再現しました。既に日本の著名な画家たちによる賛辞を受けていましたが、31歳の時にアメリカのグラフ誌もその画才に注目、さらに脚光を浴びるようになりました。その後、「今年の花火見物はどこに行こうかな」の言葉を最後に49歳で生涯を閉じました。本展では、「日本の風景画」と称される代表的な貼絵を中心に、独特な手法で描かれた油彩、水彩画、ペン画、陶磁器、少年期の貴重な絵など約190点を展示。「百年目の大回想」というタイトルにふさわしく、テレビや映画の中の人物像とは違う、芸術家・山下清の姿を再発見できる展覧会となります。