タイトル等
1950-1970年代の絵本 絵本画家いわさきちひろ
会場
安曇野ちひろ美術館
会期
2023-06-03~2023-09-03
概要
いわさきちひろが絵本を描いた1950年代から1970年代は、日本の絵本が大きく花開き発展した時代でした。本展では、ちひろの代表的な絵本を、ちひろ自身や当時の編集者のことば、資料とともに、時代を追って紹介します。

絵本画家としての始まり-1950年代
戦後、日本では欧米の高い水準の絵本が紹介されるようになります。絵と文とが一体となり、1冊のなかで物語が展開する絵本は、童謡や童話などを見開きごとに別の画家が描く絵雑誌が主流だった日本の絵本に大きな影響を与えます。

1956年、ちひろは最初の絵本『ひとりでできるよ』を手がけます。これは、同年、「毎号1つの物語にひとりの画家がさし絵を描く物語絵本」という企画で福音館書店から創刊された「月刊物語絵本 こどものとも」のなかの1冊でした。編集者・松居直は、「非常にフレッシュな感覚の絵を描いて」いることに目を留め、当時、絵雑誌を中心に仕事をしていたちひろを起用しました。ちひろは、1週間ほど旅館に籠り、意欲的に取り組みます。5歳の息子を持つ母親としての視点やをもとに、日常のことができるようになっていく子どもの姿を生き生きと描き出したこの絵本で、ちひろは子どもが描ける画家としての評価を高めました。

新しい絵本への挑戦-1960年代
1960年代には、高度経済成長とともに、多くの絵本が出版され、日本の絵本は黄金時代を迎えます。絵本は新たな表現の場として注目され、新しい企画や本格的な絵本創作への取り組みが始まりました。ちひろもこの時代、革新的な絵本を手がけています。

1960年、ちひろは『あいうえおのほん』を出版します。童心社が初めて出版する絵本で、「子どもが字を覚える本、それを美しい日本語であいうえお順に並べる」企画でした。童話作家・浜田廣介の文章にちひろが絵を描いた本作は、「あいうえおブック」の先駆けとして高い評価を受け、絵本では初めてとなる産経児童出版文化賞を受賞しました。

1966年には、ちひろの強い希望で、アンデルセン童話の『絵のない絵本』が出版されます。人生の悲喜劇を描いた大人向けの物語を絵本にするため、童心社は、若い世代を対象としたモノクロームの絵本という新しい企画を立てました。鉛筆と墨で物語の世界を叙情豊かに描いた本書は好評を博し、画家が好きな文学を選んで描く「若い人の絵本」としてシリーズ化されます。子どもという制約なしで描いたこの仕事は、表現の幅を広げるきっかけともなりました。

絵本の可能性」を求めて-1968年
「新しい、生き生きとした仕事が本当にしたい」と考えていたちひろは、1968年、至光社の編集者・武市八十雄とともに「絵本でなければできないことをしよう」と実験的な絵本づくりに取り組みます。1作目の『あめのひのおるすばん』では、明確なテーマは決めず、「雨」「留守番」などの大まかなプロットをもとに絵を描いた後、それを並べて構成し、最後に短いことばをつけるという手法で、少女の心の世界を描き出しました。説明的な要素は極力省き、見る人のなかにうまれるイメージや感覚を重視したこの試みは、「感じる絵本」と呼ばれる新たなジャンルを確立しました。

日本の絵本の隆盛期に、絵本の可能性を求めて新しい絵本づくりに挑戦したちひろの仕事をご覧ください。
イベント情報
学芸員によるスライドトーク
【日時】2023年6月25日(日) 14:00-15:00, 2023年7月16日(日) 14:00-15:00
学芸員が開催中の展覧会の見どころを、スライドを用いてわかりやすく解説します。

14:00~ 1950-1970年代の絵本 絵本画家いわさきちひろ

14:30~ ちひろ美術館セレクション 2010→2021 日本の絵本展
ホームページ
https://chihiro.jp/azumino/exhibitions/29233/
会場住所
〒399-8501
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
交通案内
[電車によるアクセス]

■安曇野ちひろ美術館の最寄り駅
●JR大糸線 信濃松川駅
信濃松川駅から 安曇野ちひろ美術館まで 約2.5km
・タクシー 約5分
・レンタサイクル 約15分
・徒歩 約30分
※ レンタサイクルは、信濃松川駅前で借りることができます。お問い合わせ先:セピア安曇野・松川村観光協会 TEL. 0261-62-6930

●JR大糸線 穂高駅
穂高駅より あづみ野周遊バス利用 約20分
※ あづみ野周遊バス
穂高駅を中心とした安曇野の観光地を巡る周遊バスです (運行区間内は乗り降り自由)。
4月下旬から11月上旬まで土日祝のみ運行。 (ただし、GW・7月下旬~9月上旬は平日も運行)

●JR大糸線 信濃大町駅
信濃大町駅より 信濃大町周遊バス「ぐるりん号」利用 約35分
※ 信濃大町周遊バス「ぐるりん号」
7月上旬から11月上旬までの土日祝のみ運行。 (ただし、7月下旬~9月上旬は平日も運行)

■長野市からのアクセス
長野駅から JR篠ノ井線にて 松本駅 へ
松本駅で JR大糸線に乗り換え 信濃松川駅 もしくは 穂高駅 下車

長野駅から 松本駅を経由し、南小谷駅へ行くリゾート列車も利用できます。(1日1往復)

<補足>
長野市からは大町への高速バスもございます。
※ このバスをご利用の場合は、信濃大町駅バス停にて下車、JR大糸線に乗り換え 信濃松川駅 まで電車をご利用ください。
また、7月上旬から11月上旬まで 大町周遊バス「ぐるりん号」が運行しております。安曇野ちひろ美術館を通るコースもございますので、ご利用ください。

■松本市からのアクセス
JR大糸線にて 信濃松川駅 もしくは 穂高駅 下車

[飛行機(信州まつもと空港)からのアクセス]
信州まつもと空港から、安曇野市(穂高駅前)・池田町(道の駅池田)・松川村(すずむし荘)・大町市(大町温泉郷)・白馬村(神城駅、白馬八方バスターミナル)・小谷村(栂池高原)を往復するシャトルバスが運行しております。
・安曇野ちひろ美術館最寄の停車バス停 : 松川村(すずむし荘) 下車 徒歩 5分程度

[都心から高速バスによるアクセス]
東京 新宿駅西口バスターミナル から白馬方面へ高速バスが運行しております。
・安曇野ちひろ美術館最寄の停車バス停 : 安曇野松川 下車 タクシー 約8分

[車によるアクセス]

長野自動車道「安曇野」I.C.より 大町・白馬方面へ 約30分
※駐車台数 200台(第1・2駐車場合計) 大型バス 8台(第1駐車場)
※第1駐車場から美術館までは約徒歩2分です(一部段差あり)。 お体の不自由な方は、身障者用駐車場もございますので、事前にご連絡ください。(TEL:0261-62-0772)

※2012年10月7日より 豊科ICは 安曇野ICへ名称変更いたしました
ホームページ
https://www.chihiro.jp/
会場問合せ先
テレフォンガイド:0261-62-0777
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
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