橋本晶子はこれまで、細密な鉛筆画を中心に構成したインスタレーションを発表しています。描いた風景はもとより、展示空間の窓からの光と影までも取り込んで、その場で変化していくその様子ごと作品として見せる自身の仕事を「風景をつくる」と表現します。
彼女は鉛筆画の静謐さに対して、ホワイトキューブでは緊張感を加え、小部屋を使用する場合は親密さを持たせるなど、絵画と触れ合う距離の振れ幅をその空間に合わせて変えながら展示空間を構成してきました。完全なホワイトキューブでも生活空間でもないACACのギャラリーでは、どのような風景が立ち現れるでしょうか。