隠喩に満ちた絵画的な表現、時にグロテスクなモチーフ、手描きの文字など、ポーランドのポスターは20世紀のポスター芸術の中で異彩を放っています。その独特な表現は、東欧の国ポーランドが歩んできた歴史と無関係ではありません。第二次世界大戦中にはドイツ軍の侵攻による甚大な被害と迫害を受け、戦後はソ連の影響下に共産主義独裁体制がしかれるなど、芸術家たちにとって自由な環境ではありませんでしたが、厳しい制約の中で独自の表現方法が育っていきました。やがてそれらのポーランド・ポスターは国際的な評価を受け、世界の注目を集めることになります。
本学は200点近くのポーランド・ポスターを所蔵しています。本展ではその中から約80点を選び、ご紹介いたします。さまざまな作家が生み出すポーランド・ポスターの魅力をご堪能ください。
※本展のポスター、チラシはデザイン学科3年 寺西沙織がデザインしました。