文化庁による文化財に関わるいろいろな事業のなかで、意外と知られていないのが、文化財を国が優先して購入する制度です。これは貴重な国民のたからものである文化財が海外に流出するなど散逸するのを防ぐために行うものです。この制度によって、多くの文化財が国の所有するところとなりました。それらはこれまで国立博物館などで公開・展示されていましたが、国立博物館が独立行政法人となって以後は、文化庁が保管し、地域の展覧会に貸し出すなど、独自に保存・活用を図っています。
今回の展覧会は、平成13年度以降に文化庁が購入した文化財の中から合計22件を「くらしと祈り」というテーマでご覧いただきます。この機会に「新たな国民のたから」を楽しんでいただければと思います。