英国流のマナーと教養を身につけ、プリンシプルを生涯の信条として第2次世界大戦後、日本の復興に尽力した白洲次郎(1902-1985)。幼少期から能を通して古典芸能に親しみ、着物や骨董を愛し、随筆家として多彩な活躍をした白洲正子(1910-1998)。お互いに一目惚れして結婚した次郎と正子は、パートナーを尊重し、日々を大切にくらしました。
本展では、ふたりが移り住み、生涯くらした武相荘での家族のくらし方に注目します。正子が愛した着物や帯、骨董、アクセサリー、正子の実家・樺山家ゆかりの品々のほか、次郎の愛用品や洋服、お手製の道具、カントリー・ジェントルマンの志で戦後日本の復興に奔走した次郎の史料も紹介。随筆家として数々の代表作を遺した正子の自筆原稿、日本各地を旅し鋭い感性で捉えた能や美しい文化にまつわる品々など、旧白洲邸・武相荘の所蔵品を中心に構成します。
武相荘でくらした二人の素顔に迫りながら、日本の文化や日々のくらしのなかの美しさ、心のあり方をみつめていきます。