抽象彫刻家として知られている堀内正和の、戦前の作品も含む初期のめずらしい具象作品を展示いたします。これらの作品の中には、家族の肖像も含まれており、幾何学的な作品を作り出す作者の、身近な人々を見つめる優しい眼差しが伝わってきます。
また、ペーパー・スカルプチュア(紙彫刻)も、興味深くご覧いただけると思います。堀内のペーパー・スカルプチュアは、画家のデッサン、彫刻家の粘土のマケット(模型)のようなものですが、それは紙が、幾何学的な形体を作るのに最も適していることを発見したからだと語っています。ペーパー・スカルプチュアと、それを彫刻にしたものとの双方が展示されている作品もあります。
抽象彫刻というと何となく近寄り難いイメージを持っている方にも楽しんでいただける展示会です。