タイトル等
関根美夫
会場
東京画廊+BTAP
会期
2022-02-05~2022-03-19
概要
東京画廊+BTAPでは、2月5日(土)より「関根美夫」展を開催致します。関根美夫(1922-1989)は日本の戦後美術を代表するアーティストで、東京画廊では1965年から5回個展を行なっています。本展では、関根が生涯制作を続けた「そろばん」を主題としたペインティングを中心に展示致します。

関根美夫は和歌山県生まれ。自由美術協会を通じて吉原治良(1905-1972) と出会い、1954年に具体美術協会の結成に加わります。1955年に第七回読売アンデパンダン展に出品、1958年にはミシェル・タピエ(1909-1987年)が作品選定を行った「新しい絵画世界展/アンフォルメルと具体」(大阪で開幕ののち東京、京都、広島、長崎に巡回)に参加しています。1959年に具体美術協会の脱退とともに、東京に移り住んだ関根は、第15回読売アンデパンダン展(1963年)で初めて「そろばん」の絵画作品を発表し、以来生涯にわたって「そろばん」「門」「貨車」「富士山」のシリーズを軸に制作を展開しました。その他の主な展覧会に「現代美術の動向-絵画と彫塑-」展(1964年、京都国立近代美術館)、「第二回長岡現代美術鑑賞」展(1965年、新潟県長岡市)、「1960年代:現代美術の転換期」(1981年、東京国立近代美術館、その後京都国立近代美術館に巡回)などがあります。また、1952年に毎日芸術賞を受賞しています。

具体美術協会結成当時、関根は身体性や物質性を強調した抽象画を多く制作しましたが、脱退とともにその傾向から離れていきます。「そろばん」は、ジャスパージョーンズの<標的>シリーズから着想を得たと言われ、さまざまな構図や色彩を展開しながら、晩年に至るまで多数の作品が生み出されました。そろばんの珠は、第一にその可動性によって、第二に数を示すというその記号性によって、幾何学的構成の興味深いモチーフとなります。実際、珠の配置で制作年月を読み取らせるなど、関根の作品がもつ数的な謎解きは、絵画を抽象性へと大きく傾けるものです。その一方で、そろばんというオブジェの抽象性を具体に即して画面に示すことは、伝統的なイリュージョンの作用によらないリアリズムの達成として理解することも可能です。

また、関根は1960年代から1970年代初期にかけて、そろばんと並行して、貨車、門を主題にした絵画シリーズを制作しています。そろばんを正面から描くように、貨車、門を側面から描き、遠近法を全く感じさせない画面が追求されています。設計図面にも通じるこれらのシリーズは、絵画の反イリュージョナリズムへと向かっていく関根にとって、一つの里程標となったと言えるでしょう。

本展では実験を重ねた1960年代の初期の作品を含めて展示し、アーティストの生涯にわたる「そろばん」シリーズの変遷をご覧いいただきます。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
ホームページ
https://www.tokyo-gallery.com/exhibitions/3676.html
会場住所
〒104-0061
東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7階
ホームページ
https://www.tokyo-gallery.com
東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7階
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