BASKETRY
BASKETRYとは、英語でかご作りを意味するとともに、繊維素材を使った造形方法としての新たなニュアンスが含まれています。今展では、2019年から2021年に制作した作品を展示します。
「かごを編む」技法から発想を得て、線状の素材を編んで立体を作っています。かご作りの中でも、螺旋状に編む「コイリング」に着目し、繰り返し芯材に繊維を巻く行為によって、網目の軌跡と線による構造が目に見えることで、視感のリズムが生まれます。素材は視覚的な要素だけでなく、弾性や形、厚みなどの性質が編む行為に影響を与え、多様な構造を形成し、構造がそのまま形態となる点で、素材、構造、形態が密接に結びついています。素材や編み方に条件を設定することで、予測できないねじれや回転が生じ、線による秩序感と同時に不安定な感覚が混在する形態を探求しています。歪んだ面に角を立てて、部分的に回転させた《曲がり角》、交差する線の相互作用によって螺旋とねじれの構造をもつ《交差螺旋》シリーズなどの作品を展示します。ぜひご高覧ください。