木村利三郎は、1924年に神奈川県横須賀市に生まれ、1947年には神奈川師範学校(現 横浜国立大学)を、続く1954年には法政大学哲学科をそれぞれ卒業し、法政大学では恩師でもあった哲学者の谷川徹三(1895~1989)から、海外で美術家人生を志す最初のきっかけと強い影響を受けたといわれています。
1957年頃には創造美育運動でも知られる美術評論家で、後に初代町田市立国際版画美術館長としても深く版画芸術に関わった、久保貞次郎(1909~1996)の知遇を得て創造美育運動にも参加しています。また、久保との出逢いを通じて、竹田鎮三郎(1935~)や瑛九(1911~1960)、曖嘔(1931~)、池田満寿夫(1934~1997)といった戦後日本を代表する画家・版画家とも親しく交流していきました。
今展では、木村が生涯のテーマとした「City」シリーズを中心に、世界の都市シリーズなど40点余を展示し、都市の崩壊と再生、あるいは宇宙や未来感など、彼が深く切り込もうとした様々なメッセージを探ります。