となみ野作家シリーズは、砺波地域(砺波市、南砺市、小矢部市)で活躍している優れた美術作家を紹介する展覧会です。第6回目となる今回は、南砺市在住の洋画家・芝 教純(しぱ きょうじゅん)を紹介します。
芝は、1949年南砺市(旧福野町)に生まれ、寺の長男として育ちました。幼い頃から絵を描くことが好きだった彼は、富山大学経済学部に入学するものの、美術を捨てきれず独学で油彩を学びはじめます。大学卒業後は、会社員として6年間勤務したのち、寺を継ぎ僧職のかたわら創作活動に励みました。1982年に富山県美術展で大賞を受賞し、その翌年、美術公募団体一水会に応募し初入選を果たしました。以後、同会を中心に作品を発表し続け、2000年に同会会員となり、現在は常任委員として創作活動をしています。
芝は、日常生活の中にモチーフをみつけ、それらを画面上で再構築し静謐な世界を創り上げてきました。初期から精細な筆致による写実表現を追求し、主題は風景、静物、動物へと変遷していきます。近年では、神秘性漂う女性像と風景を組み合わせた画面構成で、よりストーリー性のある深遠な絵画空間を表現しようと試みています。
本展では、1980年代から近年の作品50余点を展示し、芝 教純の創作世界を紹介します。