―――――「日本画」とは一体どのような絵画なのでしょうか。
日本人が描いたもの?日本で描いたもの?日本的情緒を和紙や絹などに墨や岩絵具を使って描いた絵?では、同じ素材でシルクロードなど海外の風物を描いたものは?そもそも水墨画(墨絵)は日本画なの?
どうも「日本画」を規定するものははっきりしません。というか、「もともと無かった」というのが事実のようです。
「日本画」は常に海外の美術や同時代の新思潮を吸収融合して革新をはかってきた経緯があります。現代の日本画が現代美術のさまざまな動向と重なるのも、いわば「日本画」の特質ゆえの現代的な傾向です。そして、20世紀末に明らかになった「日本画」の無規定論は、私達に否応なく「日本画」を生み出した日本の近代化の課程と、日本および日本人というものの枠組を考えさせるものでした。
この展覧会では「日本画」という呼称や枠組を、日本の現代絵画として新しい傾向を示すこれまで「日本画」と呼ばれてきた作品によって再考します。そして、そうした作品を「超」日本画と捉えることで、絵画としての意味や質を問おうというものです。