文学者であり、絵や書もかき、新しき村を創設するなど幅広く活躍した武者小路実篤(1885-1976)。90年の生涯で発表した文学作品は、小説・戯曲・詩・随筆など7000篇を越えると言われます。
実篤の文壇での活動と、国内の映画産業の成長は、大正から昭和という時代を共にしています。文学作品が原作となった映画“文芸映画”が登場すると、若き日の代表作「その妹」や「友情」、発表から長きにわたって読み継がれる「愛と死」なども映画化されました。
本展覧会では、制作現場で使用された台本をはじめ、撮影の進捗や作品の魅力を伝えるプレス資料、スチル写真、当時の映画館をいろどったポスターやロビーカードなどをとおして、“映画”という媒体で表現された実篤文学を捉えます。また、実篤が見た映画、タイトルを揮毫した作品、小国英雄や木村荘八ら映画人との繋がりも紹介。“武者小路実篤”“映画”をキーワードに、貴重な資料の数々をご覧ください。