静嘉堂は令和4年(2022)、美術館展示ギャラリーを丸の内の明治生命館(1934年竣工、重要文化財)内に移転します。本展は世田谷岡本で開催する最後の展覧会となります。静嘉堂は、明治25年(1892)岩崎彌之助の神田駿河台邸における文庫創設以来、同44年(1911)に高輪、そして大正13年(1924)に現在の世田谷へ拠点を移し、昭和52年(1977)より所蔵する美術品等の一般公開を行なってまいりました。本展では「旅立ち」をテーマに、日本・東洋における旅とそれに伴う出会いと別れ、そして旅立つ人びとが目指した理想の地のイメージを探ります。また現在静嘉堂が収蔵する名品の伝来にまつわるエピソードを紹介するとともに、静嘉堂130年のあゆみと美術館の30年を振り返ります。