昭和48年(1973)、茨城県つくば市に開学した筑波大学に芸術専門学群が設置されたのは、2年後の昭和50年のことでした。開設から程なくして日本画に関するカリキュラム導入が検討され、西村昭二郎が教授として招かれます。そして昭和62年、同学群絵画コースから日本画コースが独立し、以来、国立の総合大学として唯一の、また茨城県内で唯一の日本画の専門教育機関として、多くの日本画家や美術教師などを輩出してきました。
本展では、日本画コースの歴代教員8名による作品を展示し、同大学の日本画教育の歩みとその現況を紹介します。8人の日本画家は教鞭を執りながら、それぞれ個性豊かな作品の創造者として活躍してきました。その作品はまた、昭和50年代より最先端の研究者が集う筑波研究学園都市の空気をも映し出しているでしょう。急速な変化を遂げるつくばの地で育まれてきた、瑞々しい日本画表現をお楽しみください。