ふだん、何気なく使っている器などの実用のやきもの。身近なものゆえに、どんな人が、どんな風に作ったのか、思いを巡らすことは少ないかもしれません。しかし量産品であれ、作家ものであれ、当たり前に思えるかたちでも、はたまた突拍子もなく思えるようなかたちであっても、ものは様々な人の思いや工夫の重なり合いのなかに形作られています。
ここでは、当館コレクションより戦後日本の実用陶磁器に焦点をあて、私たちの生活を支え彩るやきものの成り立ちを、デザインの視点から紹介します。たとえば同じカップであっても、作り手の思いや技術、それを取り巻く環境によって、あらゆるかたちが生まれます。「いつものかたち」を編み出すアイデアのありかを見つけて、お楽しみください。