長野県立美術館は、日本を代表するファッションブランドであるMame Kurogouchi(マメ クロゴウチ)の美術館では初となる単独での展覧会を開催します。
Mame Kurogouchiは、長野県生まれのデザイナー黒河内真衣子が2010年に設立し、2018年よりパリコレクションで発表を行うウィメンズファッションブランドです。自身の経験や記憶に自然や伝統などの要素を複雑に織り交ぜることで生まれるデザインと、卓越した日本の職人技術や最新のテクノロジーを自由に融合させることで生み出される唯一無二のコレクションは、国内だけでなく世界からも高い評価を受けています。2021年4月に新築オープンした当館のスタッフユニフォームも手がけています。
10 Mame Kurogouchiと題する本展では、黒河内の私小説的とも言えるクリエイションの背後に複雑にレイヤーされた諸要素を視覚化し、10年間に及ぶ創作の旅路を紹介します。これまで発表されたコレクションに共通するいくつかのキーワードが、デザイナー自身のダイアリー、着想源となった品々や写真、テキスト、オリジナルのテキスタイル、コレクションのアーカイブなどを用いて多面的に可視化され、ブランドの思想の根底に触れるかのような空間を作り出します。
黒河内の生まれ故郷であり、自身の最も初源的なルーツであるこの長野の地そのものを案内役に、10周年を迎えたブランドの、これまで発表される事のなかったクリエイションの源泉を、静かにじっくりと感じていただける事でしょう。