一原有徳(1910-2010)は徳島県に生まれました。3歳のときに家族とともに北海道に渡り、小樽を拠点に版画制作を行いました。1950年代後半より、石版石を使い一度しか刷れない技法である「モノタイプ」に着手します。その後も一貫してモノタイプを制作、あわせて金属凹版による実験的な版画作品やオブジェなど、さまざまな表現を追求し、国際的にも高い評価を得ています。その作品は抽象的な表現でありながら、鑑賞者の想像を刺激し、架空の物資世界へと誘います。
本展では、幅数mを超える大型の作品を含め当館の収蔵品を中心に、モノタイプ、金属凹版、オブジェと幅広い技法、表現による多彩な作品世界を紹介します。