いわさきちひろは子どもを描き続けた画家です。子どもとあそびは切り離せないもので、彼女の作品にもあそびの情景が登場します。本展では、ちひろの作品をあそびという切り口から紹介します。
自分の世界「絵本の好きだった子は毎日絵を描いてあそんでいた」と、ちひろは自分の少女時代を振り返って書いています。子どもは自分の好きなことを見つけてあそぶ力をもっており、ちひろの作品にも、あそびに興じる子どもたちが描かれています。カレンダーの3 月のために描かれたこの作品では、鮮やかな赤色を背景に、少女が紙びなをつくっている姿が目に入ります。一生懸命に人形をつくる少女は、自分の世界に入りこんでいるようです。画面には、紙びなのほかにも、折り鶴や、お手玉も散りばめられています。