本展では、飛行機という20世紀の一大発明が私たちに与えた影響について、美術の視点から見ていきます。それまでになかったスピードや、空中感覚を経験させる飛行機は、人々のヴィジョンにも少なからず変化を与えました。また、その機械としての洗練された機能美は、新しい時代にふさわしいモチーフとしての魅力に満ちています。
いっぽう、悲しむべき必然として、飛行機は早くから戦争に利用されてきました。近年研究が進められている戦争記録映画にも、その姿は多く登場しています。
現代の私たちにとって、飛行は必ずしも特別な体験ではなくなってきています。本展は、飛行へのあこがれと驚きのあった時代の作品およそ50点を通じ、飛行機が私たちにもたらした光と影について、あらためて考える機会となるでしょう。