19世紀後半にフランスで印象派が生まれ、近代絵画は大きな変革期を迎えました。印象派という名称は、移ろう光と影を追い求めたクロード・モネの作品に由来します。当初は否定的に名付けられたものでしたが、今日では美術史上の輝かしい名称として私たちに受け入れられています。更に20世紀に入るとアンリ・マティスに代表されるフォーヴィスム(野獣派)など、次々に新しい表現が現れ、フランスは西洋美術の中心として確固たる地位を築くことになります。
1914年に勃発した第一次世界大戦によってヨーロッパ各地は戦禍に見舞われますが、戦後の復興とともに、芸術の都パリには世界中から多くの芸術家が集まりました。1920年代、エコール・ド・パリと呼ばれる時代の訪れです。モーリス・ユトリロ、マルク・シャガール、そして藤田嗣治。この時代には多くの日本人画家がパリに学び、日本の近代絵画にも大きな影響を与えることになりました。
本展覧会では茨城県笠間の笠間日動美術館西洋絵画コレクションより、近代西洋絵画の魅力を紹介いたします。