現代日本画を牽引する作家のひとりである山本直彰は、従来の日本画の枠に収まらない抽象的な心象世界を描き続けてきました。とりわけ、実物のドアを支持体として用いた「DOOR」シリーズは、新たな日本画の絵画表現として注目を集めました。本展タイトルにある「AJAR」とは、ドアなどが半ば開かれた状態を指します。内と外、自己と他者、生と死といった、相反する様々なものを分かちつつ結ぶ存在であるドアを基点に、多様な主題によって展開した近年の代表作と、本展にあわせて制作する新作によって、山本の作品世界をご覧いただきます。