「振動」の現象を、鉄という素材をとおして捉えてみる。
バネで支えた9mm厚の鉄板の上に白い粒子を撒き、スーパーボールでこすり振動させると、唸るような音と共に白い粒子は凝集し、そこに不思議な図形が現れる。(右写真)
鉄板はどのように振動しているのだろうか?
鉄板に触れてみると、図形が現れている部分は振動しておらず、その周りの部分が振動している。
この現象は「クラドニ図形」と呼ばれ、200年ほど前にドイツの科学者クラドニ(Chradni) により発見された現象である。スーパーボールの大きさや鉄板のこする場所、鉄板の形によりこの図形も変化する。
本展ではクラドニ図形を利用して描いたドローイングを中心に立体、映像、ワークショップ、さらにパフォーマンスをとおして「振動」が作り出す形や音の宇宙を体験する。
芸術の目と科学の目の交わりの領域を探る。