佐倉市立美術館は、開館以来、佐倉・房総ゆかりの作家についての調査・研究を活動の大きな柱とし、その結果としての展覧会も数多く開催してきました。
今年度は、JR佐倉駅前の彫刻通りや、京成線ユーカリが丘駅のペデストリアンデッキなど市内にも作品が設置されている佐倉在住の彫刻家・久保浩(くぼ・こう)の展覧会を開催します。
「この世に存在するものは全て立体である」と語る久保は、スケッチなど平面の習作は描かず、ものの形を無限の視点から立体としてとらえ、それをそのまま強い存在感を放つ彫刻として表現しています。
本展では、2020年に米寿を迎えた久保浩の作品を一堂に集めて、紹介いたします。普段はまちの風景に溶け込んでいる作品や、毎年の地域の美術展などで発表された作品をはじめ、広汎な知識に裏打ちされた作品や、自身の愉しみと創作欲からつくられた彫刻以外の作品も展示します。それらすべてに向けられた鋭い観察眼と造形する手の力を感じ取っていただく機会になれば幸いです。