田辺市立美術館の収蔵品の中から、版画の様々な技法による表現を紹介します。
木版、銅版、石版などの多彩な手法が洗練されて展開した近現代の、国内外の作家による版画作品を展観し、特に、今年没後60年となる、日本各地を旅して、その風景を作品にした木版画家、前川千帆(1888~1960)の紀南地方に取材した作品と、今年没後20年となり、また生誕200年を迎えた「稲むらの火」のモデルとして知られる政治家、浜口梧陵(1820~1885)の曾孫でもある、独自の銅版画の技法、カラーメゾチントを用いた表現で国際的に高く評価された、浜口陽三(1909~2000)の作品を特集します。