水彩画は、画材の親しみやすさや手軽さから広く普及し愛されている絵画です。明治30年代後半から全国的に流行し、北海道でも、よく目にされるようになります。昭和初期には、中西利雄らによって、水彩画の革新をめざす動きが起こりました。ちょうどその頃、北海道では繁野三郎が水彩画家として頭角をあらわしてきており、昭和10年代に、札幌で、中西らの水彩画講習会が数回にわたって開催されたこともきっかけとなり、北海道でも水彩画が活気を帯びていきます。40年以上旭川で過ごした佐藤進は、昭和から平成にかけて活躍した北海道を代表する水彩画家の一人で、自宅近くの風景を描き続けました。
本展は、道内各地の美術館がネットワークでつながる「アートギャラリー北海道」事業として開催されます。水彩画を数多く所蔵している北海道立近代美術館、市立小樽美術館と当館のコレクションを中心に、明治から現在活躍中の作家まで、水彩画の魅力をご紹介します。