栃木県立美術館は1972(昭和47)年の開館以来、美術大国といわれる欧米のみならず、アフリカやアジアなどの美術もコレクションに加えてきました。
さて2020年は第二回「東京オリンピック」の開催年にあたります。現在のオリンピック憲章に謳われている文化プログラムは、かつて芸術競技と呼ばれた正式競技の一つでした。芸術競技から文化プログラムへの変更には、芸術とスポーツとの根本的な価値の相違への問いかけがあったようです。
本展は「東京オリンピック2020」の開催に先立って、当館収蔵作品の中から旧東欧を含む世界各国の絵画、版画、彫刻、工芸などの名品・珍品約80点を選りすぐり、選手ならぬアーティストたちの出身国を明記して展示することによって、日本と世界の美術との類似と相違を親子や友人たちと楽しく鑑賞しながら、美術を通じた国際親善にも寄与する機会とするものです。