この度、サンリツ服部美術館では、「染付 うつわに広がる青の世界」展を開催いたします。
染付は、素焼きの素地にコバルトを含む青い顔料で絵付を施し、その上から透明な釉薬を掛けて焼成したやきものです。中国や韓国では、青い文様を意味する「青花」という名称がつけられています。日本ではもともと(絵のある)藍染の布を「染付」と呼んでいましたが、いつの頃からか青花磁器を染付と呼ぶようになり、親しまれてきました。
中国元時代後期の景徳鎮窯で完成とされる染付は、明時代には白い肌に青い文様が映える優美なやきものとして中国国内で高い評価を受けるようになります。また、中国を代表する磁器として世界各地へ輸出されると、異国情緒溢れる文様や高い絵付の技術に注目があつまり、アジアやヨーロッパでも染付の生産が積極的に行われ、個性豊かなうつわが次々と生み出されました。
本展では、当館の所蔵品のなかから中国・日本・ヨーロッパでつくられた染付の作品をご紹介いたします。生産された時期や場所によって異なる青の色合いや文様をご覧いただきながら、多くの人々に愛された染付の世界をお楽しみください。