本展では、平櫛田中と倉敷・天神窯(てんじんがま)で作陶を続けた岡本欣三との交流を紹介します。岡本欣三は独自に考案した「紫欣釉」(しきんゆう)「桃壽光」(とうじゅこう)と名付けた色美しい釉薬(うわぐすり)を用いた作品で知られています。その豊かな色の世界を平櫛田中は高く評価していました。
平櫛田中は同じ岡山県出身で、42歳年少の岡本欣三を芸術の道を共に歩む同志として認め、たびたびその作品に「和敬清寂」「和忍」「夢」といった書を揮毫(きごう)しています。本展では岡本欣三の陶芸を中心に、二人の合作や、平櫛田中が折々に岡本欣三に与えた書を加えた50点の作品を展示します。